◆S51. 3.30 名古屋高裁 昭和50(行コ)13 農地転用届出に対する受理行政処分の取消請求控訴事件(13)◇
二、次に、原告は、本件転用届出書には隣接農地等に対する被害防除施設の記載がない旨農地法施行規則六条の二第一項(四条一項六号)違反を主張する。しかし、右被害防除施設の記載は被害発生のおそれがある場合にのみ記載されればよいと解されるところ、原告において右被害発生のおそれの存在について何ら主張するところがなく、却つて、成立に争のない甲第三号証によれば、本件届出書の被害防除施設概要記載欄には、「隣地農地に被害のないよう工事を行ないます。万一被害をおよぼした場合は自己の責任で処理いたします。」との記載がなされていることが認められるのであつて、本件転用届出書には何ら右規則違反の点が存しない。従つて、右規則違反をいう原告の主張は失当である。
三、さらに、原告は、農業委員会は転用届出書の提出があつたときは届出にかかる農地が賃貸借の目的となつているか否かを確認し、かつ被害の防除が十分でないときは関係者において調整が図られるよう指導しなければならないのに、本件転用届出書を受付けた津島市農業委員会は、原告が本件土地の贈与を受け、これを宅地造成して占有していることを十分承知のうえで何らの指導をしなかつたのみか、届出人らと通謀して、届出の目的物件を差し替え、受付日をずらすなど虚偽の受付けをした違法があると主張する。しかしながら、成立に争のない甲第一一号証によれば、津島市農業委員会は本件土地が賃貸借の目的となつていないことを確認していることが認められ、また、目的物件差し替え云々の主張の理由のないことは前叙のとおりであり、その他津島市農業委員会が届出人らと通謀して不正に届出受理手続を行なつたとの原告の主張事実を認めるに足りる証拠はない。従つて、原告の右主張も失当である。
以上の次第であつて、原告の本訴請求は理由がないから失当としてこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条を適用して、主文のとおり判決する。
(別紙省略)