◆S50.11.12 東京高裁 昭和48(行コ)26 更正処分取消請求控訴事件(5)◇
く低廉であつたばかりでなく、頭金(一三〇万円)のほかは長期(三五年)の割賦で支払うこととされているため、入居希望者が多く、これを購入しようとする者は平均五・六〇倍もの高率の抽せんに当せんしなければならなかつたが、公社から入居者の推せんを依頼された者によつて推せんされた場合は、抽せんによらないで、公社の分譲住宅を購入することができた。住宅金融公庫法の規定の趣旨によれば、同公庫から住宅建設資金の貸付けをうけて建設した住宅の譲渡については、建設費、公庫の貸付金の利息その他の必要費を超えて金品を受領し、その他譲受人の不当な負担となることを譲渡の条件としてはならないのであるが、公社から入居者(住宅の譲受人)の推せんを依頼された者は被推せん者から何らかの名義で相当額の謝礼金を収受するのが通例となつていた。
(二) 控訴人は、その所有の前記土地の上に公社のため地上権を設定して公社に分譲住宅の敷地を提供したところから、公社から二階より六階までの分譲住宅二二戸の内一一戸について入居者の推せん依頼をうけたもので、控訴人が公社に対し誰を推せんするかについては、公社の定めた入居資格を有する者であることのほかは、全く控訴人の自由な裁量にまかされていた。
(三) 控訴人は、公社に対し右一一戸の内原判決末尾の別表一および二記載の番号の住宅(二〇〇番台のものは二階、三〇〇番台のものは三階である)についてそれぞれ同氏名欄の者を入居者として推せんし、抽せんによらないで同住宅を購入することを得させた。この建物の一階および地下は控訴人の所有で、二階の住宅の前に一階の屋上部分があるので、控訴人はその一階屋上部分に土を盛り、芝を植えて二階の各戸毎に仕切りの塀を設け、二階の住宅に附属の、それぞれ約一五坪程の庭園を造つた。そこは一階の屋上であるから、大きな木を植えたり重い石や構築物を設置することはできない。
四 控訴人が原判決末尾の別表氏名欄記載の入居者のうちE、F、G、Hら四名から収受した金員について。
(イ) Eは、本件住宅三〇三号室購入の際に控訴人との間に契約書を取交すことをしなかつたが