◆S50.11.12 東京高裁 昭和48(行コ)26 更正処分取消請求控訴事件(8)◇
七〇〇、〇〇〇円ほか一件」の「ほか一件」というのは、同別表二のJよりの入金分を指し、「四〇年三月二日預り敷金に経理したGよりの入金分一、三五〇、〇〇〇円ほか三件」の「ほか三件」というのは、同別表二のK、L、Hの三名よりの入金分を指し、これらはいずれも「借入金」もしくは「敷金」ではなく、控訴人が無抽せんで公社の分譲住宅を購入しうるように推せんしたことについての仲介手数料、又は入居者に公社の分譲住宅への入居権を移譲したことの対価であつて、被控訴人は更正通知書において、その趣旨でこれを「権利等譲渡収入」と表現して、控訴人の所得に加算すべきであるとしたのであると主張する。そこで、この理由の記載の形式に不備があるかどうかの点は後に判断することとし、まずその「借入金」もしくは「敷金」の実質が、被控訴人主張のようなものであるかどうかの点について考察する。
(一) 原判決末尾の別表一・二に記載の八名のうちE、F、GおよびHの四名について、同人らが同別表金額欄の各金員を控訴人に支払つた点に関連する事実関係は、前記2(四)の(イ)ないし(二)において認定したとおりで、この事実によると、右四名はこれらの金員について、それはいずれも控訴人から本件住宅(建物の区分所有権)を、二階のそれについては庭園の使用権をも含めて購入した売買代金の一部と認識しており、契約書等に「借入金」とか「敷金」とかの文言があつても、将来その返還をうけうるものという認識ないし期待をもつていなかつたのである。そして他方、以上認定の各事実と成立に争いのない乙第一四号証、乙第一五号証の各記載を総合すると、控訴人を代表して右契約の衝に当つたKは、右の金員はいずれも、Eらを公社に入居者として推せんし、無抽せんで住宅を購入することをえさせたことに対し報酬(礼金)を取得する目的で、被推せん者との関係では住宅売買の形式を用いて収受したものであることがうかがわれる。
控訴人は、Eに対し、同人から受領した金七〇万円について、借入金として年一分の利息を支払う約束をし、現実にその支払をしたのであるが、その利率は低廉にすぎる上、元金の返