◆S50.11.12 東京高裁 昭和48(行コ)26 更正処分取消請求控訴事件(9)◇
済について何らかの約定をした事実は、これを窺うに足るものが全く存しないので、以上認定の諸般の事情を併せて考慮すると、右七〇万円は控訴人が無抽せんで本件住宅を購入することをえさせたことの仲介手数料、もしくは謝礼金としてEから受領したもので、右利息の支払は、これを借入金と偽装するための手段として行なつたものと判断するのが相当である。
控訴人がFから受領した金七〇万円も、以上認定の事実を総合すれば、これを借入金と見るのは困難であつて、やはり控訴人がFに対して本件住宅を無抽せんで購入することをえさせたことに対する仲介手数料ないしは謝礼金と判断するのが相当である。
控訴人がGおよびHから受領した金員についても、前記認定の諸般の事情を総合すると、これを庭園の賃貸借に附随の敷金と見ることは困難で、控訴人の偽装とみるべきであろう。しかし、この二人の場合は右のEおよびFの場合とは多少趣を異にする。前掲乙第三七ないし第三九号証によると、本件の二階と三階の住宅は面積も間取りもほぼ同じもので、前記のように二階の住宅には約一五坪程の庭園が付いているが、三階のそれには庭園がついていない。EとFの購入した住宅は三階で、GとHが購入したのは二階である。本件のように都心に近い高層ビルの住人にとつては此のような庭園は、屋上庭園であることによる使用方法の制限はあつても、大きな魅力をもち、したがつて経済的にも十分評価しうるものであろう。そして右庭園の部分は、控訴人の所有にかかる一階の部分の屋上にあり、控訴人がそこに庭園を造つたものである。これらの点を考え併わせると、GとHが控訴人に支払つた金額のうちの半額は、EとFの場合と同様に、控訴人が無抽せんで本件住宅の購入を得させたことに対する仲介手数料もしくは謝礼金として受領したもの、残りの半額は控訴人が両名に対し庭園の使用権(使用貸借もしくは賃貸借による)を設定したことの対価として受領したものと判断すべきであろう。
以上によれば、控訴人がE、F、GおよびHから受領した原判決別表一・二の当該部分に記載の金員は、いずれも控訴人の所得として課税の対象とす